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今回は初期型のゲームボーイソフトのFRAM化を実施しようとして右往左往したはなしです。
結論から言うと、初期型のFRAM化は失敗して、ROMの後期型の基盤に移植したんですけどね。。。
この辺のやりかたって、調べてもなかなか出てこないので記事にしました。
参考になれば幸い。
必要な道具
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さまざまな部品を取り外したり、取り付けたりするのに必要な最低限の道具は以下の通りです。
ハンダコテ
ヒートガン
フラックス
必要な部材
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今回の改造に必要な部材は、FRAMと0Ω抵抗か銅線だけです。
他に、部材ということではないですが。
ドナーとなるゲーム送付とが必要であることは後ほど記載します!
・FRAM
※通常販売はされていないので、別のゲームソフトから移植します。
・0Ω 抵抗 または 銅線
FRAM取り出し方
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早速、メインとなるFRAMの取り出しについて記載します!
FRAMは、GBAの特定のソフトでのみ使用されているセーブ領域です。
また、FRAMはGBAでしか扱われなかった珍しい電子パーツですのでかなり希少とも言えます。
ま、実際ハードオフとかにいけばゴロゴロ転がっていますけどねw
まずは、今回生贄(ドナー)となるGBAのソフトはNARUTOのゲームです。
基盤左側の大きなチップがFRAM(MB85R256A)になっていますのでこれを取り出します。
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まずは熱する前にチップにフラックスを塗布しておきます。
こうすることでハンダが溶けがよくなり、基盤自体に無駄な熱を与えずにサクッと取り出せます。
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次に、ヒートガンでチップ全体をじっくり温めます。
※はんだごてでもできなくはないのですが全体を均一に温めるのが難しいのでヒートガンをお勧めします。

チップ自体は熱に強い構造をしていますが、長時間の高温には耐えれないためバランス良く全体に熱を与えるようにしましょう。
※画像では載っていませんが、チップをピンセットで上にもちあげながら温めると、勝手にぽとっておちます。
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以上で摘出は終了となります。
NGだったFRAM移植方法
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次に移植なのですがここで一回、失敗した方法もお知らせしておきます。
知っていれば同じ過ちは犯さないでしょうから是非みてください。
対象となる「魔界塔士SaGa」は古いソフト基盤のためSRAM形式ですらありませんでした。
そもそもがそこを勘違いしていました。
まずは、電気が流れてると故障の原因になるので先んバッテリーから外して、
次に左下のチップ(MBC2-A)を外しました。
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チップ(MBC2-A)を外すことまでは容易にいけました。(電池は既に外れてる)
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外したチップ(MBC2ーA)箇所にFRAMを移植した。

ここまで、順調に移植できたと思い、ゲームボーイに入れてテストしてみたら。。。
そもそも起動すらしなかったっっっっっw
なんでか原因を調べたら以下のサイトにたどり着きました。
ここでの情報で確認すると、取り外したチップはRAMではない様なんです。
このチップ自体ではセーブをしているのは間違いないのですが、その他の処理も同時におこなっているようで、こいつを外すとそもそもゲームが起動しない自体に陥ることになるということがわかりました。
OKだったFRAM移植方法
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んでは、NGだった方法以外に何かいい方法はないかと調べ、考えたところ。。
ROMを別のゲームに移植した上で、さらにFRAMも移植しちゃえばいいんじゃない?という結論にたどり着きました。
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もうここまでくると、頭と脳みそ以外全部別の人状態ですけどね。
やり方は至ってシンプル。
まずは移植先が画像でいうところの「DMG-DEDN−10」になります。
こいつの構造は「MBC1-B」チップに「SRAM」の組み合わせになっていて、
セーブ先を別出しにしている仕組みになっています。
なのでNGだった「MBC2-A」ではセーブ先も同一だったのでこいつを外してしまうことで、そもそもゲームができなくなったのであれば、保存先が別出しの”基盤”にROM毎移植してしまえばいいのではと考えました。
※左が「SAGA」、右が「ポケモン赤」
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んで、とりあえず単純に移植しただけで動作確認したところ、なんと起動するではないかと!
後は、SRAMからFRAMへと移植するだけというところまできました。

そして、元ポケモン赤だった基盤のSRAMをFRAMへと載せ替えて、さらに動作確認をしたところ、無事セーブもでき、電源を落とした後もデーターが残ることも確認できました!

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と。ここまでは問題なくどうさしているのですが。1つこの後気づくことがありました。
元々のチップ右上2番目はグランドに接触しているようなんですよね。
でも、元ポケモンの方は「MBC1-B」のどこかに繋がっている様子。。。。
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なので、念の為に0Ωの抵抗をくっつけてブリッジしました。
これでも動作は問題ない様子ですので、これで完成となります。
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コメント
ツッコミすみませんが、
①富士通MB85R256Aは3.3V定格、最大4.6VのFRAMです。ゲームボーイの動作環境は5Vですので、最大4.6VのFRAMを5V環境に動作させると、短時間では壊れないかもしれませんが、寿命が減らされるのは確実です。
勿論中古GBAソフト由来の富士通のFRAMは激安(110円1枚)で、壊れたら交換するのも3.3V〜5V両方対応のFM16W08正規品(900円1枚)よりコスパが良いという理由は無くはないけれども、上限より高い電圧で作動することはリスキーなことをお察しください。
②MBC2のゲームの使うセーブデータの容量は最大4KBだけなので、ROMを8KBのDECN基板に移植するのは十分です。32KBまでサポートしているDEDN基板に移植するのはオーバースペックです。
メタルスライムさん
貴重な情報ありがとうございます!
間に抵抗をいれたら安定しますかね?
まあ、素人なので何をどこにいれたらいいのかわからないので、知見があれば教えてください!